講師依頼してきた人が目の前で寝てた時はさすがに怒りそうだった。

これまでの活動でしんどかったことを書いてみたい回です。


身体がしんどくて横になりたい人が、部屋を片付け、布団を敷いて、薬を準備し、他の人に「自分の病状はこんな風でね」と説明して、病気が怖いものでないことを理解してもらって、助けてくれる人を探す。…という作業をする姿を想像して欲しい。
誇張しすぎかもしれないけど、これが、いま鳥取の性的マイノリティ関連の団体がしている活動の姿です。
なんなら、自分も身体がしんどいなかで、「他の身体がしんどい人のためにもなるから」と、自分の病状を大勢の前で話したり、余計に部屋を片付けたり、余計に布団を敷いたりもしています。そりゃ、倒れますよね。

ということで、私が所属している団体が11月末で解散します。でもこのことに関して、「なんで?」とか、「もったいない」とか、言わないようにして欲しい。ずっとずっと、頑張ってきたんです。いい加減、ゆっくり休んでほしいです。
(注:ちょっと例えが悪かったな…と思ったけど、これしか思いつかなかったです。ごめんね。例えだから勘違いする人はいないと思うけど、一応「性的マイノリティは病気じゃないよ」ということを注釈しておきます)


私らが今までやってきた活動というのは、「講演をすること」「交流会をすること」「啓発活動をすること」でした。
でも、活動の中でエラク(=しんどく)なってくる人も大勢いました。それもそのはず、だって私たちは傷付いている当人たちだから。「傷付いている当人たちが、他の傷付いている人たちのために居場所をつくる」とか、「傷付いている当人たちが、傷付けている人達(マジョリティ)に対して啓発活動をする」とか、そりゃ、エライですよ。
余計傷付くことももちろんあります。講演中に寝る人とか、笑ってる人とかはまだマシ。ひどい人は「治るんでしょ?」とか聞いてくる。研修でボロボロになった日は、「なんで私が矢面に立たなきゃいけないんだろう」って、泣いてしまうこともあった。「もっと行政とか、教育とか、そういう人達がちゃんとやってよ」って。でも、そもそもそういうことになっていないから「啓発」をしないといけないわけで。だから、まだまだ、こんな所で折れちゃダメだって踏ん張りながら、演台に立ってきた。

交流会だって、本当は私達も「参加する側」に居たかった。100%安心できる場に居るだけがよかった。けど、私たちは100%安心できる場を「提供する側」で、いつもドキドキしながら過ごさなきゃいけなかった。

簡単にいうと、当事者が活動をするというのは、「めちゃくちゃエライ」です。
これは、セクマイにしても、同和問題にしても、発達障害にしても、外国人にしても、女性にしても、なんでもそうだと思う。

私達は「アライ(理解者、支援者)」を求めています。というか、誰か助けてほしい。
変な話、自分が当事者ではない物事に関しては、腹は立つけど傷付かないじゃないですか。「おかしい!」「なんとかせねば!」とは思うけど、自分の生きる意味を見失ったり、死んでしまいたくなるようなことはないじゃないですか。だから、当事者のために立ち上がって欲しいんです。
欲張りだけど。でも、本音です。私はこう思うからこそ、音訳ボランティアだったり、発達障がいの勉強だったり、部落問題の勉強だったりを、してます。当事者がエライのは分かってるから。私が出来ることをする!って、思ってます。


話それたな。戻します。
でね、こういうように、「当事者が活動する」って、とってもエライことなんだと思うのです。無くなっていく団体や、更新が途絶えている団体も多い。すんごく強い人でないと、ずっとは続かないと思ってます。
私が活動を続けられているのも、実家を出て、地元を出て、人権に関わる仕事ができる職場でオープンに働ける環境があるからです。今は所属している団体で何の役職も持っていないことも、デカいです。
これから転職したり、環境が変化したりしたら、どうなるかはわからない。今の環境が恵まれているだけで、一歩違う環境に入ったら、まだまだクローズにならざるを得ない状況があるのだと思います。
私自身は、既にちょっと検索掛けただけで「この人だ!」ってわかるくらいになってしまった(ビッグになったわけじゃなく、鳥取に活動してる人が少なすぎて)けど、もしかしたらそのせいで就職差別されたり、人間関係を壊される可能性だって、余裕であるからね。


当事者の活動には、メンタル的にも、リスク的にも、人材的にも、難しいところがある。
ので、団体は無くなっても仕方なかったと思うし、メンバーのメンタルがぶっ壊れるよりも100000000倍マシだと思っています。
で、私も私で、活動を続けたいけど自分のメンタルを第一に考えて、ゆるりと、でもいないことにはならないように、活動を続けていこうと思います。どうぞ、よしなに。